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厚生年金が先細るなかで、若い社員の年金生活は一体どうなる? (その①)

■2,000万円以上の老後資金が必要。

甘い、甘いと言われた厚労省の発表数字を元に試算してみると、今なら年金で何とかやり繰りできそうな全国平均レベルの老後生活でも、今の30代の人たちは、毎年80万円から100万円位が不足することになります。
夫婦で老後生活を平均25年とすると、年金開始時に退職金と自助努力で2,000万円以上の貯えがないと老後が描けないということになってしまいます。ゆとりある老後を目指すなら、その倍の備えが必要です。
中小企業に一番普及している中退共(中小企業退職金制度)では40年勤務しても、約束されているのは精々500万円強で、上記不足額の数分の一しか賄えません。
恐ろしくなる話です。でも、年金のプロ達は「そんなもので本当に済むのですか」と言います。
しかし、ほんの少し意識を変えるだけで、全く違った将来が開けてきます。
そのことを理解いただきたいのが本稿の趣旨です。

■それではまず将来の必要資金を確かめてみましょう。
LP1.jpg



図1は今の若年層社員の老後の収支を推測しています。
上段は厚生労働省の示すモデルケースです。専業主婦の家庭で夫が40年間勤めあげた時の2人の年金は年間280万円強としています。
年金のプロ達は中小企業でこれだけもらう人はほとんどいないと口を揃えますが、とりあえずこの公表数字を使うとしてみましょう。 さらに、奥さんは最初から専業主婦というよりも出産までは働くケースの方が多いことから上記の数字を約300万円と改めてみます。
ところが2009年に厚労省が“30年後は年金が20%目減りする”という試算結果を発表しました。
当時の年金運用の資産構成からはとても考え難いような期待利回りを前提にはじき出した数字で、新聞各紙も計算の根拠が甘すぎると一斉に批判していましたが、仮にこの20%減をそのまま使っても上記300万円は240万円に目減りします。
一方、老後の生活費は下段に記すように総務省の家計調査が一般的に使われ(月26~28万円)、真ん中の月27万円とすると年間約325万円。
世間並みの老後でも、325万円-240万円で、差し引き毎年85万円位が不足することになります。
平均余命から夫婦の老後生活を平均25年位とすると、2,100万円位の備えが必要だということになります。


■老後の備えとして、今から毎月幾らの積立が必要?

LP2.jpg


30年後に今の年金開始年齢の65歳(実際は平均余命も伸びながら年金開始年齢も後ろにずれるでしょうが)になる35歳の社員が上記の2,100万円位を60歳の定年までに備えようとすると、退職金を仮に500万円もらうとしても、図2のようにタンス預金(今の定期預金レベル)の場合は、生活費のほかに毎月5.4万円の貯蓄が必要ということになります。

■では、中退共から幾ら位支給されるのでしょう?

中退共のホームページを見ると、一人当たりの掛金は全国平均で現在約9千円。仮に40年フル勤務し、掛金を最初から最後まで一律9千円としても、いまの予定利率1.0%で計算すると40年後の残高は500万円強程度です。
図1で退職金を500万円として試算したのは、この辺りも数字を想定してみました。
しかし、都内中小企業の平均勤続年数は20年未満。中途退職したときの退職金は大抵消費してしまうでしょうから定年時に手にする退職金は推して知るべしです。
これからの時代は、国や会社だけに頼らず自分の将来は自分で備える意識が絶対不可欠ということです。
もし、退職金500万円がなかったら、毎月の必要貯蓄額5.4万円は7.1万円になってしまいます。
これが今考えられる普通の話なのです。
しかも、厚労省の下駄に下駄を履かせたような公表数字を使っての計算結果なのです。それも、厚生年金を支給されていての話なのです。

■それじゃあ、お先真っ暗、救いようのない話?

確かに、何も考えなかったら、こういう現実が待ち受けていることは確かではないでしょうか?
でも、少しでも将来に備えていこうという意識を持つだけで、将来の姿がガラリと変わってきます。それも、無理な背伸びをしないで、一生懸命努力したりしないで・・。

⇒それは次号へつづきます。
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